知識労働の本質を知る

知識労働は,量によって規定されるものでもな
い。コストによって規定されるものでもない。成
果によって規定されるものである。」
経営者の条件P25

モノを動かしたり運んだりすることは,長年のあ
いだ人間の仕事でした。

体を動かすことは,イコール成果をあげることに
直結していました。

また,時間あたり何個生産したかというように,
成果も目に見えるもの でした。

しかし,アイデアや情報によって成果をあげる知
識労働では,体を動かせば成果があがるというこ
とではありません。

もちろん,一切体を動かさず休んでいれば良いと
いう意味ではありませんし,仕事を効率よく終え
て早く帰ることが成果をあげることではありません。

体を一生懸命動かしても,また,仕事を効率よく
終えて早く帰っても,それが間違ったアイデアや情
報であれば意味がないということです。

30分以内にアイデアをいくつ出したかを競うこ
とは,必ずしも悪いことではありません。

しかし,アイデアを一番多く出した人間だけを表
彰するというのであれば,片手落ちです。

もっとも評価されるのは,たとえ一つでも,素晴
らしいアイデアを出した人間です。

しかし,この手のコンテストでは,アイデアを一
番早く,そして一番多く出した人間を評価しがち
です。

未だに,時間あたりに何個生産したかという昔の
モノサシで評価してしまう発想から,なかなか抜
け出せないということなのかも知れません。

知識労働の成果も,かつての労働のように,体を
動かす必要がありますが,それだけでは成果をあ
げられません。

また,単純なアウトプットだけでも成果をあげる
ことは出来ません。

量や物にとらわれない仕事が知識労働の本質
なのです。

しかし,体を動かしてアウトプットをすること
が,長年のあいだ人間の労働の成果であった歴史
があるだけに,「こんなに一生懸命働いているの
に,なんで努力が報われないのだろう」という疑
問が湧きます。

知識労働の成果は,体を動かすだけでなく,アウ
トプットしたものが他者と違うことが要求されます。
いってみれば,差別化です。

では,差別化をするためにどうすればいいのか?
何か特別なことをしないといけないのでしょうか?

もちろん天才的な能力を発揮して差別化できる人
もいます。
しかし,我々にも出来そうな差別化もあります。

なされるべきことを他よりも早く,確実に,きめ
細かくやるということです。
凡事徹底ともいいますね。

「なされるべきこと」というのは,文字通りする
必要のない仕事を一生懸命やることではありません。

自分のやりたいことや,上からいわれたことでも
ありません。

もし,なされるべきことが,自分のやりたいこと
や上からいわれたことと違っていたら,責任をも
ってあらためるという作業がいります。

これが,一番難しいことなのかも知れませんけどね。
成果をあげるためには,努力だけでは報われません。

なされるべきことを他よりも早く,確実に,より
きめ細かくやったかどうかということですね。

さて,あなたの努力はほんとうに報われているでしょうか?

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