時間や仕事の従者になってはいけない!

「集中とは,『真に意味のあることは何か』『最も
重要なことは何か』という観点から時間と仕事に
ついて自ら意思決定をする勇気のことである。こ
の集中こそ,時間や仕事の従者となることなくそ
れを主人となるための唯一の方法である。」
経営者の条件P152

集中という言及に対して,自ら意思決定をする勇
気のことであるといっているところに注目かもし
れません。

なんで勇気が必要なのでしょうか?
そんなに気合いを入れなくても集中でぎると思い
ますが…

しかし,意外と集中するのは難しいのです。
人間には,あれも欲しいこれも欲しい病があるか
らです。

ひとつのものだけに集中することに不安も抱いて
しまいます。

あれも欲しいこれも欲しい病は,いってみればリ
スクの分散でもあります。

人間が雑食なのも,栄養バランスという健康面と
いう部分もありますが,ひとつの食材に過度に依
存すると,その食材がなんらかの要因で,供給でき
なかったときに,餓死してしまうので,それを避け
るという側面も大きかったのではないかと思います。

人間は,集中よりも,リスク分散を重視する方があ
る意味得意なのかも知れません。
しかも,集中とは廃棄の決定でもあるわけですね。

ところが,人間にとって廃棄はとてもハードルが
高いのです。
もちろん,腐ったものを廃棄することは,簡単です。

腐ったものを廃棄しないとお腹を壊してしまいます。
命を落とすこともあるでしょう。

しかしながら,腐りかけのものを廃棄するのはと
ても苦手なのです。

現代のように冷蔵庫や冷凍技術がなかった時代は,
腐りかけのものでも,なんとか食べられるウチは,
なるべく保管するようにしておいたハズです。

そうしないと,食糧事情が現代と比べて劣悪だっ
たがゆえに,餓死してしまいます。

皮肉なことですが,チーズや納豆のような発酵食
品は,腐りかけのものでも,食べられるうちは,な
んとか食べようという人間の知恵が編み出したも
のといえますね。

ところが,成果をあげるのは差別化の時代となり
ました。

差別化には,いろいろな要因がありますが,一番わ
かりやすいのは,人と同じ事をしないことです。

腐っていない限りは,廃棄せずなるべく長時間保
管しておくべきだという人間の習性を無視して,
まだ腐っていないのに廃棄するというのが差別化
の要因となります。

とはいっても,腐ったりんごを廃棄するのは得意
でも,腐りかけたりんごを廃棄するのはとても苦
手なんですね。

まだ食べられるんじゃないかという考えがアタマ
にこびりついているのです。

食糧事情が悪かった時代は,腐りかけたりんごで
も捨てないことが生き延びるための知恵だったと
いうのがわかるのですが,そんな時代がとっくに
終わっても,我々のアタマには未だに腐るまで捨
てるなという発想から抜けきることが出来ないの
です。

集中の重要性がわかっていても,腐りかけたりん
ごに対する思い入れがあるがゆえに,なかなか集
中できないということですね。

こうした人間の習性に反することを実行するには,
思い切りと勇気が必要です。

だからこそ,集中とは,自ら意思決定をする勇気
のことであるといっているのです。

さて,あなたは腐りかけたりんごを勇気をもって
廃棄することができるでしょうか?
それとも,異臭を放つまで手元に置いておきますか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

組織を評価するあやまった判断基準

「組織を評価する基準は天才的な人間の有無では
ない。平凡な人間が非凡な成果をあげられるか否
かである。」
経営者の条件P113

天才的な人間が何を意味するか難しいところです。
天才的な人間が一代で財を成すカリスマ的な経営者
を指しているのであれば,そのような人間が次に
あらわれることを期待するのはないものねだりです。

カリスマ的な人間に頼らなくても,事業がまわって
いく組織体制を構築すべきであるといっている部分
もあると思います。

実際に,そのようにしなければ,事業が継続できま
せん。

本田技研パナソニックも,本田宗一郎松下幸之助
の再来ともいうべきカリスマ経営者は,未だにあら
われていませんが,事業は継続できています。

「平凡な人間が非凡な成果をあげられるか否か」
という部分を体現しているわけですね。

また,ドラッカーはしばしば,一番あてにならない
のは,学校の成績といっていることからして,天才
的な人間がいわゆるエリートを指しているとも受け
とれます。

事実上,エリート大学出身でないと就職できない
企業があります。

大抵の会社は,そんなことはないと否定しますけ
どね(笑)

ところが,業績は必ずしも学歴のいい社員数に比例
するわけではありません。

比較的学歴のいい社員が多い会社でも倒産するわ
けです。

東芝あたりは,学歴のよい社員が多く在籍して
いる会社ですが,いまや青息吐息です。
これには,いろいろな理由があるように思います。

エリートは保守的で冒険をしたがりません。
ペーパーテストは,100点が上限です。

ペーパーテストに上限がなければ,もう少し
違う結果になったと思います。

ところが,100点という上限が設定されると,
得点を積み上げるよりは,むしろ,いかに
ミスをしないか勝負の分かれ目です。

エリートは,100点満点のテストをいかに
少ない失点で,切り抜けるかを体得した
人間の集団です。

エリートが保守的になるのも当然です。
そして,保守的であるがゆえに,失敗を
極端に恐れ結果的に隠蔽工作に走るのも
無理のない習性なのかも知れません。

また,組織に学歴の高い人間を集めても,
お客さまが庶民であれば,ミスマッチが生じ
業績不振となる可能性があります。

エリートならば,当然カンタンと思われる操作
方法が,そうでない人にとっては,非常に使い
にくいものになります。

エリートがエリート相手に商売をして利益をあげ
ることも可能でしょうが,あまりにも,マーケット
が狭すぎます。

素人にもわかる商品サービスでなければ,支持を
得られません。

素人にもわかる商品サービスなどの使い勝手を
判断するには,平凡な人間の思考回路を理解で
きる人間がいなければなりません。

もちろん,それを見つけるのが得意な天才的な
人間もいまずが,必ずしもエリートであるとは
限りません。

実際に大衆受けする音楽家や芸人は,ある意味
天才ですが,東大卒のエリートではありません。

エリートは大抵の場合,保守的で素人感覚や
庶民の感覚とはズレていることが多いものです。

素人や庶民の感覚がわかる学校の成績が必ずしも
優秀ではなかった人が,創意工夫をして成果を
あげるのが,現代社会での成功です。

「組織を評価する基準は天才的な人間の有無では
ない。平凡な人間が非凡な成果をあげられるか否
かである。」といっているのも,そういうところ
から来ているように思います。

とはいえ,人間の能力を評価することは,とても
難しいことです。

少なくとも,ある程度の学歴がある人間を採用
しておけば,社内文書で誤字脱字が少なく,英文
をある程度理解してくれるだろうと思います。

組織がエリートを優遇するというあやまった
判断基準で動くのも無理のないことなのかも
知れません。

しかし,成果は社内文書で誤字脱字が少ない
とか,英文を読解する能力とは関係のない
ところにあります。

お客さまの要求を汲み取る能力や語学力より
も,赴任した国の文化に溶け込み現地の人間
と友達になれる能力の方が大事です。

そうした能力をカンタンに測定できる物差し
がないだけに,われわれは,天才的な人間を
追い求め,本当に力のある人材を見逃して
しまっているのかも知れません。

そして,業績が悪くなると,ウチの社員は
能力がないと嘆くことになるわけです。

しかし,それは間違いで,ホントは,力の
ある人材なのに活用出来ていないのかも
知れません。

組織を評価する基準は,あくまでも「平凡
な人間が非凡な成果をあげられるか否か」
だからです。

さて,あなたの組織を評価する基準はどう
なっているでしょうか?

力がなく頼りなさそうな感じだけど,何か
のきっかけで,とんでもない力を発揮する
人材を見逃していないでしょうか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

自分の得意な学び方を確かめる

「傑出した仕事をする者を事前に知る方法はない。
実際に仕事をさせるしかない。逆に,最も頼りにな
らない方法が学校の成績である。」
断絶の時代(第15章)

学校の成績は良かったけれども,成果をあげられ
ない人や学校の成績が悪かったけれども,成果を
あげる人がいます。

なんとなく心当たりがあることですね。
学校で良い成績を取るためには,ペーパーテスト
で問題文を読んで理解し書き留めることです。

内申書を良くするために,先生に媚びを売るとい
う政治力も非常に重要です(笑)

一発勝負の入学試験では,スピーチやディスカッ
ションをする能力を問われることは,ほとんどあ
りません。

しかし,書かせると誤字脱字が多くても,理路整然
として話せるし,相手の主張に即座に反応できる
タイプがいますが,学校の成績では,頭脳明晰な割
には思った以上の成績を残すことができません。

学び方にもいろいろとあるわけです。
書くことによって学ぶ人,書かなくても本を読ん
で付箋やマーカを引くだけで学べる人がいます。

本を読むよりも生の講義やビデオや音声教材で学
ぶのが得意な人もいます。

学び方は千差万別あるにもかかわらず,大勢の人
を短時間で評価することにもっとも効率的なのが
ペーパーテストであるがゆえに,スピーチやディ
スカッションが得意でも,ペーパーテストが不得
意な人は自分の実力を発揮することが出来ません。

逆に,スピーチやディスカッションがあまり得意
でないだけでなく,人間関係の構築に難点がある
人が自分の実力以上に評価されるのがペーパーテ
ストです。

しかも,スペシャリストよりもゼネラリストがあ
る程度要求されるのも学校です。

最近は,一芸入試が導入されたとはいえ,英語が
非常に得意でも,国語が人並み以下の成績しか残
せないのであれば,受験では大きなハンディキャ
ップを抱えることになります。

高学歴の方が,30歳くらいになって発達障害と診
断されることがあるといわれていますが,いかに
学校というのがペーパーテスト中心で学力を判断
しているかという証拠といえるのかも知れません。

仕事をしていくうえで,学校の成績があまりあて
にならない理由ともいえますね。

ところが,自分にあった学び方にはいろいろとあ
るにも関わらず,自分にあった学び方をしている
かとなると,そうではないことが多いようです。

書くことによって学ぶ人間に仕事を身ぶり手ぶり
で教え込んでも要領を得ないことがあります。

逆に聞くことによって学ぶ人間に分厚いマニュア
ルを渡しても,理解に苦しむことになるでしょう。

多くの人間が仕事で成果をあげることが求められ
る時代にも関わらず,最初に配属された部署や上
司が自分の学び方に合っているかどうかという運
任せで,その人の運命が決まってしまうようなと
ころがあるような気がします。

働く人の個性や創意工夫よりも,人間が機械のよ
うに多くのものを運んだり動かしたりするような
仕事が求められた歴史があまりにも長かったから
でしょうか?

われわれは,人の学び方にはいろいろあり,その人
にあった学び方をしないと成果をあげることが出
来ないということを知らずに過ごしているように
思います。

もし,あなたが仕事で成果をあげられない,あるい
は成果をあげられずに伸び悩んでいる人が周りに
いるのであれば,得意な学び方が何なのかを確か
める必要があるのではないでしょうか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目標設定に絶対必要な三要素

「目標が単なる意図の表明にすぎないのであれば,
価値はない。目標は仕事として具体化しなければ
ならない。仕事には,具体的かつ明快にして測定可
能な成果,期限,担当が必要である。」
マネジメント上P132

目標設定に絶対必要な三要素は,成果,期限,担当
を決めることだということですね。

しかし,簡潔に表現していますが,「測定可能な成
果,期限,担当」の設定は,意外と難しいように思
います。

測定可能な成果として間違えやすいのが,目標と
してムリなものを求めるか,あるいは無難なもの
に設定するかのどちらかです。

これは,目標をたてた人の性格であったり,置かれ
た立場などによって違って来るように思います。

高すぎる目標というのは虚栄心を刺激するのでし
ょうか?

比較的,人を使う立場の方が,こういう達成不可能
な目標を掲げる傾向にあります。

これとは,逆にあまりにも控えめ過ぎる目標をた
てる人もいます。

目標が達成不可能となったときの保身を考えるの
でしょうか?

比較的,使われる立場の方が控えめな目標を掲げ
る傾向があるように思います。

では,どちらの目標が良いのでしょうか?
どちらの目標も正しくないということですね。

目標は高すぎてもいけないし,低ずぎてもいけま
せん。

目標は最適でなければならないということですね。
なぜ,目標が最適でなければいけないのか?

それは,高すぎる目標も低すぎる目標も人が持っ
ているパフォーマンスを最大限に発揮することが
出来ないからです。

有名な心理学の実験で,国連に加盟するアフリカ
諸国は50カ国より上か下かと方と尋ねた場合
と,20カ国より上か下かと尋ねた場合を比較した
場合,50カ国より上か下かと問われた場合の方が
より多い加盟国数を答えたというのがあります。

正解は54カ国(2016年現在)なのですが,確かな確
証がない場合,人間は,数字が高ければ高いほど,
より高い目標をクリアする確率が高くなる習性が
あることを暗示しています。

ところが,アフリカ諸国は,100万カ国より上か下
かと尋ねると,答えがバラけるそうです。

100万カ国という数字はあまりにもバカげている
ので,意味をなさず,無視されるわけですね。

あまりにも高すぎる目標も,これと同じように無
視される確率が高いということです。

確かな確証がない場合,それなりに納得できる情
報があれば,とりあえず信用した方が安全だろう
という我々の先祖が勝ち取った習性ともいえますね。

こうした人間が本来持っている習性を上手く利用
することです。

少し頑張ればなんとかなりそうな目標であると納
得出来たら,人間はそれに向かって努力をすると
いうことです。

目標が低くても,それに向かって行動しますが,本
来10の成果を出せる人間が,目標が低すぎると実
力の半分しか能力を発揮出来ないということです。

「目標は高く設定しなければならない。ばかげて
いるといわれない程度に,しかし,かなり頑張らな
ければならない程度に高くしなければならない。」
(非営利組織の経営P68)という言及は,まさにこれ
を突いているということですね。

もう一つは,期限です。
時間に限りがありますから,優先順位をつけるこ
とが大事です。

優先順位をつけるということは,何に集中するか
を決め,何をやめるかを決めるということにつな
がっていきます。

これも人間にとっては難しいことです。
人間が本来持っている習性ともいえるあれも欲し
いこれも欲しい病が災いします。

あらゆることを少しずつやることは,リスク分散
につながります。

もし我々が,牛肉しか食べない人間だったら,狂牛
病の問題で餓死してしまいます。

あらゆる食材を少しずつ摂取することでリスク分
散をやってきたわけです。
集中とは,こうした人間の習性に反することです。

集中が苦手だからこそ,それが出来た人間は,それ
だけで差別化に成功することになります。

期限を意識して,優先順位をつけることを普段か
ら心がけるということですね。

そして,最後に担当を決めるということです。
誰でも良いというわけではありません。

手が空いている人をつければいいということでも
ありません。
優秀な人材を担当に据えるということです。

ところが,優秀な人材は限られています。
では,どうやって優秀な人材を得るか?
外部からのスカウト?

しかし,組織の内部に優秀な人材が限られている
のと同じように,外部の世界でも優秀な人材は不
足しているのが常です。
スカウトに,過度の期待は禁物です。

優秀な人材は,「現在の仕事を廃棄させるか,ある
いは利益を出すだけの存在にさせることによって
手に入れなければならない。」(創造する経営者
P296)ということです。

ようするに,優れた能力を手にするためには,既存
のものの廃棄が必要となるということです。

ところが廃棄も人間にとっては難しいことです。
食糧事情が悪かった時代を生き抜いてきた人間に
とっては,廃棄どころではなく,どうやって長期間
保存すべきかに知恵を巡らせてきました。

しかも,経済的に廃棄すべきという答えが出ても,
廃棄は本能的に苦手です。

自分の子供が芸能人やプロのスポーツ選手になる
素質があった方が教育費に対するリターンは最大
値になります。

ところが,われわれの多くは,特別な才能がありま
せん。
教育費に対するリターンが少ないわけです。

人道的な問題を別とすれば,経済的には廃棄すべ
き存在なのです(T_T)

しかし,われわれの両親は,経済的には廃棄すべき
という答えが出ているのに,われわれを廃棄しな
かったわけです。

われわれにとっては,廃棄を苦手とする思考回路
があるがゆえに,生き残ってきたわけですが,成果
をあげるためには,心を鬼にして廃棄すべきもの
は廃棄すべく行動しなければならないということ
です。

上手くいかない事業計画は,「測定可能な成果,期
限,担当」のどれか一つあるいは,全部が間違って
いる場合が多いということですね。

「測定可能な成果,期限,担当」は,事業の立ち位置,
集中する分野陳腐化した事業の廃棄を促すという
ことです。

さて,あなたはの目標は,「測定可能な成果,期限,
担当」を明確にしているでしょうか?

それとも,漠然とした単なる意図の表明になって
いないでしょうか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

働く人の満足と生産性のバランスを考える

「働く者が満足しても,仕事が生産的に行わなけ
れば失敗である。逆に仕事が生産的に行われても,
人が生き生きと働けなければ失敗である。」
(マネジメント基本と原則P57)

いわゆるブラック企業を巡って,いろいろと話題
になっています。

働く者と生産性のバランスが崩れると問題を起こ
すということですが,なかなか両者のバランスを
取るのは難しいですね。

歴史を振り返ると,働く人の満足は,あまり重視さ
れず,一部の特権階級が,仕事を奴隷に押しつける
ことによってバランスを保っていた階級社会が存
在し,今でもしぶとく生き残っていますね。

これは,ある意味人間の本質なのかも知れません。
そもそも,人類の祖先であるサルもボス猿を中心
とする階級社会ですからね。

食糧供給が安定しなければ,食糧には限りがあり
ます。

では,限られた食糧を誰が優先的にありつけるのか?
当然ながら,力の強い個体であるボス猿です。

そして,交尾をする回数が最も多く,子孫を残す
チャンスが多いのもボス猿です。

階級社会が生まれた背景には,いろいろな要因が
あると思いますが,基本的にはサル山の論理がそ
のまま人間社会にあてはまったということになる
でしょう。

食料供給が安定し,より高度な文明を築くには,
身体的な能力はもう一つでも,手先が器用な人間
や記憶力の優れた人間など,多様な人間を必要と
します。

ところが,限られた食糧で,人類という遺伝子を絶
滅させずに残すには,なるべくなら,腕力が強く健
康で長寿な遺伝子を優先的に残すというのが正解
なのかも知れません。

人道的見地の問題からすれば,大いに問題有りま
すが,サル山社会を見る限り,原始的な人間も
そのように行動してきたと推測されるように思い
ます。

風通しの良い組織は,大丈夫ですが,残念ながら
未だに多くの組織では,ボスを批判することは所
属している組織から追放されることを意味します。

食糧事情がよくない時代に組織から追放されたら,
食糧の分配にありつけず,死を意味しました。

階級社会には,人道的な矛盾を抱えていますが,
それを是としてきた理由は,組織からの疎外が死
と隣り合わせだったことに起因するように思います。

しかし,少なくとも先進国では餓死は非現実的と
なりました。

いまや,肥満を起因とする成人病が死亡原因と
なっている時代です。

従業員が経営陣に対して,ブラック企業と堂々と
批判出来るようになったのも,餓死と隣り合わせ
ではなくなった社会だから出来るわけです。

しかし,われわれは,サル山の社会構造を無意識の
うちに築いてしまうのかも知れません。

相当な努力をしないと働く人の満足と生産性のバ
ランスを保つことは難しいわけで,未だにブラッ
ク企業がのさばっていることを考えると,サル山
社会の呪縛を断ち切るのが難しいことを意味して
いるように思います。

これを解決するのは至難の技ですが,解決の糸口
となるヒントがあります。

「顧客が企業の土台として企業の存在を支える。
顧客だけが雇用を創出する。」(現代の経営上P47)
とする考え方です。

働く人が満足するのか?
生産性をいかに向上させるか?
これらは,全て企業内部から出てくる発想です。

そうではなく,全てはお客様のためにあるという
外部からの要求に答えるという発想です。

働く人の満足は,働く人の自己満足ではなく,顧客
の満足を通して,働く人が仕事に誇りを持ち,結果
的に働く人の満足を満たしていくという一瞬遠回
り的な発想です。

企業の業績をあげるために,生産性を向上させる
のではなく,顧客を満足させるために生産性を向
上させるという発想です。

われわれは,放っておくと一部の人間が満足し,一
部の人間に苦難を押しつけるサル山社会を築いて
しまいます。

それゆえに,第三者(企業でいえば顧客)の視点を
通して,働く人と生産性のバランスをとっていく
必要があるように思います。

逆に,これが難しいからこそ,両社のバランスを克
服した企業は強いということでしょうね。

さて,あなたはどんな発想で仕事をしているでし
ょうか?
サル山社会の発想でしょうか?

それとも,顧客の視点を通した発想になっている
でしょうか?
なかなか難しいことですけどね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

好きこそ物の上手なれ

イノベーションの機会は,イノベーションを行
おうとする者と体質があっていなければならない。
重要であって意味がなければならない。さもなけ
れば,忍耐強さを必要としかつ欲求不満を伴う厳
しいイノベーションの仕事はできない。」
イノベーションと企業家精神P162

人間は,基本的に三日坊主ですね。
ただ,どんなに三日坊主で続けられない人でも,好
きなものは続けることが出来ます。

禁煙もダイエットも上手くいかなくても,パチン
コやゲームなら毎日でもOKという人は多いです
よね。

人間は,本来なまけ者?
確かに,そうってしまえば元も子もないのですが,
これは生存する確率を高くするために,とても重
要なことであったといわれています。

得意ではないことに時間を費やすと肉体的な疲労
はもちろんありますが,それ以上に脳の消費カロ
リーが激しくなるといわれています。

これが,何を意味するかというと消費カロリーが
激しくなると食糧を欲しがるわけです。

ところが,先進国で餓死が非現実的になったのが
20世紀半ばを過ぎてからですから,人類は常に飢
えと闘っていたわけです。

飢えと闘うには,食糧の確保もさることながら,な
るべく消費カロリーを少なくするために行動した
方が,生き残る確率が増えるわけです。

面倒くさいことを避け,怠けるように仕向けた方
が,脳の消費カロリーを抑制し,より長く生存する
ことが可能となります。

われわれが,面倒くさいことを避ける言い訳とし
て,コレ以上のものはないのかも知れませんね(笑)

本来なまけ者な人間が,イノベーションに成功す
るためには,脳の消費カロリーを少なくすること
が大事です。

つまり,面倒くさいと思うことではなく,得意な
ことに特化した方が,脳の消費カロリーが少なく継
続することが可能になるということです。

なんとなく儲かりそうだからとか,ほかの人もみ
んなやっているという理由で始めると失敗するの
は,体質と合っていないと脳の消費カロリーが激
しく消耗し,休むように心と体が要求するからと
もいえますね。

人間は,一部の天才的な人を除けば,ストレス耐
性がないので,人間本来の姿である怠け者体質が
幅を利かせ失敗するということです。

しかし,なんとなくとか,周りの雰囲気に流されや
すいのも,また人間の本来の姿かも知れません。

もし,通りを歩いていていたとき,周囲の人間が血
相を変えて逃げ惑っていたら,あなたはどうしま
すか?

逃げ惑っている原因が火事なのか,あるいはテロ
なのか?
その原因をちゃんと確かめてから逃げますか?

そんなことをしていたら,逃げ遅れて死んでしま
います。

原因はどうであれ,周囲の人間が逃げ惑っていた
ら,とりあえず逃げるが勝ちです。

この周囲に流されやすい体質も,人間が生き延び
るための知恵といえますね。

ところが,こうした習性が儲け話にも応用されて
しまうのが人間の悲しい性なのかも知れません。

儲け話は,火事やテロではありません。
周囲に流されやすい習性に打ち勝たないといけな
いわけですね。

これは,人間本来の習性に抵抗しないといけない
ので,なかなか難しいことですが,ひとまず立ち止
まって,自分の体質にあっているかどうかを考え
ることです。

火事やテロではないので,立ち止まって考える時
間は充分にあるわけですし,立ち止まって考えた
からといって,命取りになるわけではありません。

性に合わないものは,どんな誘惑があってもやめる
ことが正しいということですね。

さて,あなたが何かあたらしいものにチャレンジ
するとき,自分の体質にあっているかどうかを確
かめているでしょうか?

「好きこそ物の上手なれ」とはよく言った
ものです。

三日坊主で,周囲に流されやすい人間が,初志
貫徹するには,「好きこそ物の上手なれ」を
実践するしかないということですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
→ http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「一生懸命やっても駄目」は言い訳にならない

「組織構造は,組織のなかの人間や組織単位の関心
を,努力ではなく成果に向けさせなければならない。」
マネジメント基本と原則P200

日本人は,基本的に勤勉でまじめですから,一部の
例外を除けば,みな一生懸命働いています。
したがって,こんな残念なことが実際に起こります。

「失敗した人たちのほうが,よく働いていたという例
も多い。」
経営者の条件P85

これは,どうしてなんでしょう?
成果をあげるために必要とされることの意味が
変わったことが大きな原因といえそうです。

建設機械もコンピュータもなかった時代は,人間
が肉体を酷使して,建設機械の役割を果たしました。
ピラミッドや日本の城郭は,まさにそうですね。

人道的な問題を別とすれば,多くの奴隷を必要とし,
いわれたことを黙々とこなせば大きな成果をあげる
ことが出来たわけです。

われわれ人類は,長い間このようにして成果をあげて
来ました。

そして,20世紀中頃の世界大戦でさえ,飛行機や戦車
が編み出されたとはいえ,軍隊の中心は依然として
歩兵だったわけです。

肉体労働の多くが機械化されたのが,人類の長い歴史
からすると最近のことであるために,われわれが依然
として肉体労働で成果をあげようと行動するのも,
ムリもない話といえそうです。


成果は肉体的な努力ではなく,顧客の満足によって
もららされる時代になったわけですが,頭で理解
していても,実践するとなると,難しいものです。

顧客を満足させているかどうかを知るには,一旦
手を休める必要が出てきます。

顧客に満足しているかどうかを聞かないといけ
ないわけですから,目の前の仕事を黙々とこなして
いるだけでは,聞くチャンスを逃してしまいます。

これも,これまでの仕事の概念とな少々異なるものです。
いままでは,物資が乏しかったので,大量生産によって
いかに効率をあげるかというのが成果の分かれ目でした。

それを一旦手を休めて顧客の満足をしているかどうかを,
聞きに行くわけですから,効率をあげることと矛盾する
わけですね。

成果の概念が大きく変わってしまった現代社会ですが,
我々がいってみれば,本能的に成果だと思ってしまう
努力や効率と矛盾する部分が出ているだけに難しいのです。

われわれは,つい部下にたいして,つべこべ言わずにさっさ
とやれと言ってしまうことからして,一旦染み付いた感覚
から抜け出すのは難しいのです。

もちろん,ある局面では,つべこべ言わずにさっさとやれ
という部分が未だに有効でしょうが,仕事は,それが全て
ではないということですね。

我々の努力が,組織の構成員の肉体労働的な自己満足に
近いものなのか?

それとも,顧客を満足させ成果をあげるための知識労働
な努力なのかを見極めないといけないということです。

同じ努力でも報われる努力と報われない努力があるわけ
です。

単に努力したけどダメだったというのは免罪符になら
ないといってもいいかも知れません。

一生懸命やったけど,駄目だったというのも,言い訳に
なりません。

一生懸命が,ただ単に手足を動かしただけなのか?
顧客の要望を取り入れるために一生懸命だったのか?
同じ一生懸命でも,両者は質が違います。

もちろん,求められるのは,手足を動かすのに一生
懸命だったのではなく,お客さまの期待に応えるために
一生懸命だったかどうかです。

「失敗した人たちのほうが,よく働いていた」という
悲劇を繰り返さないためにも,われわれは常に立ち
止まって顧客の満足を検証する必要があるということ
ですね,

さて,あなたは,何に一生懸命だったでしょうか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドラッカー名著集のお買い求めは,こちらです!
→ http://ow.ly/2UDs1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川越駅を西向けば税務の110番はこちらです!
http://zeimu110.com

ライン公式アカウント「@zeimu110」
http://accountpage.line.me/zeimu110

まぐまぐ殿堂入り
ドラッカーに学ぶ!成果をあげる人・あげない人

発行者:税務の110番! 税理士 大林 茂樹
ドラッカー学会会員)

〒350-1126
埼玉県川越市旭町1-4-38

お問い合わせは,いつでもどうぞ!
http://wp.me/P2JWBR-22

●●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━