成果をあげる究極の問いとは何か?

「非営利組織に働くあらゆる者が何度も何度も繰
り返すべき究極の問いは,『自分はいかなる成果に
ついて責任をもつべきか,この組織はいかなる成
果について責任をもつべきか,自分とこの組織は
何をもって憶えられたいか』である。」
非営利組織の経営P159

これは,非営利組織だけに限らないことですが,比
較的あたらしい概念なのかも知れません。

そもそも,あらゆる者が自分と組織の成果と責任
を深く考える必要がなかったのです。

多くの組織において,成果とは時間当たりの生産
量であり経済的な利益をあげることでした。

そもそも,20世紀の半ばまで,先進国でも餓死する
危険がありました。

時間当たりの生産量をあげて,物資の不足を補う
必要がありました。

しかも時間当たりの生産量をあげるためには…
人間が機械のように働いてもらう必要があったと
いうことです。

「あらゆる者が自分と組織の成果と責任を深く考
える」ことは,むしろ生産性を阻害する要因になっ
たかも知れません。

余計なことを考える暇があったら, 機械のように
働いてもらう方が,都合が良かったのです。

残念ながら,餓死と隣り合わせだった時代は,そう
せざるを得なかったのでしょう。

しかし,物資が行き渡り,人間が機械のように働か
なくてはいけない作業の多くが機械化されました。

成果は,単位あたりの生産量ではなく,差別化に変
わってしまったということですね。

しかも,先進国の死因の多くは,餓死ではなく肥満
を原因とする成人病です。

ただ単純にがむしゃらに頑張っても,その他大勢
と同じことをしている限りにおいて成果をあげる
ことは出来なくなったことを意味します。

では,差別化するには,どうすれば良いのでしょうか?
がむしゃらに頑張ることは,もちろん大事ですが,
ただ単純に頑張るのではなく,ときには頭を冷や
す必要があります。

そのときに,問うべきなのが,『自分はいかなる成
果について責任をもつべきか,この組織はいかな
る成果について責任をもつべきか,自分とこの組
織は何をもって憶えられたいか』です。

答えが出なければ,外部に聞くことです。
もともと,責任とは,他者の求めに応じて行動する
ことだからです。

組織であれば,責任とはお客様の求めに応じて行
動することなのですから,お客様の声に耳を傾け
ることからスタートします。

また,「自分とこの組織は何をもって憶えられたい
か」という問いにも答えなければなりません。

誰に対して憶えられたいのか?
これも,組織であればお客様に対して憶えてもら
わないといけないのですから,お客様の印象に残
ることを考えなくてはいけません。

すなわち,お客様に対する貢献です。
貢献と責任を常に問い続けることが差別化につな
がり,成果をあげることにつながっていきます。

とはいえ,われわれの仕事が体を動かし,獲物を獲
得したり,モノを運んだり動かしたりすることで
成果をあげてきただけに,なかなか難しいのかも
知れません。

もし,がむしゃらに働いても成果があがっていな
いのであれば,古い仕事の仕方をしていないかど
うかをまず疑ってみる必要があると思います。

さて,あなたは成果をあげるための究極の問いを
意識して仕事をしているでしょうか?

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