話し上手より聞き上手

「多くの人が,話し上手だから人との関係づくり
は得意だと思っている。対人関係のポイントが聞
く力にあることを知らない。」
非営利組織の経営P217

話が下手よりは,上手いほうがいいかも知れません。
しかし,話す能力と人間関係づくりの能力は必ず
しも一致するとは限らないということですね。

人間は,人の話を必ずしも聞いているわけではな
いということを忘れてはいけません。

もちろん,切迫した危機的な状況に陥れば,責任の
ある人間の指示に従ってくれます。

危機的な状況で,責任ある人間の話を聞くことで
生き延びる可能性が高まるわけですから,当然と
いえば当然です。

特に軍隊のような組織では声が大きくて話が上手
い人間が支持されるのではないかと思います。

話が下手で声が小さい人間がリーダーになると切
迫した状況の中で適切な指示を伝達するのに不利
だろうと思います。

そのせいでしょうか?
われわれが,求めるリーダー像は声が大きくて恰
幅が良くてカリスマ性のある人物を自然と求めて
しまうようです。

理想の上司ランキングにタレントやスポーツ選手
が上位にノミネートされます。

もちろん,荒波を乗り越えた人達なので,大丈夫
だろうとは,思いますが,タレントやスポーツ
選手は,実際に大きなビジネスを手掛けたわけ
ではありません。

ビジネスで成果をあげるかどうかは,未知数
なのに,我々はイメージで理想の上司を勝手に
作り上げてしまうように思います。

われわれの社会は,毎日,銃弾が飛び交い明日の命
があるとも限らないような戦場ではありません。

戦場のような社会でなければ,声が小さくて線が
細くて,カリスマ性がないけれども,真面目で誠実
であれば,リーダーになれる可能性があるわけです。

しかも,リーダーの下で働く人間もリーダーの言
うことを適当に流して聞いていても,命が取られ
るわけではないのです。

危機的で切迫した状況におけるリーダー像と知識
労働社会で求められるリーダー像は,必ずしも一
致するわけではないということですね。

ところが,知識労働社会におけるリーダー像は,こ
れまでの人間社会におけるリーダー像と異なるに
も関わらず,古いリーダー像にとらわれてしまっ
ているのかも知れません。

話が上手であれば,当然相手は話を聞くもの,服従
すべきものと思って行動してしまうわけです。

リーダー的な地位にいる人は,部下が命令に従わ
なければ命を落とすような状況にないだけに,必
ずしも耳を傾けてれるわけではないことを前提に
考えないといけないということですね。

そのために,必要とされるのが聞く力です。
聞くということは,答えなくてはいけません。

部下が答えなくてはいけない状況をつくることです。
ある意味,違った意味での強制力かも知れません。

リーダーの意図とは関係なく,切迫した状況がつ
くり出した強制力ではなく,リーダーが意図して
つくり出した状況によるいい意味での強制力を用
いるということでしょうか?

これまでと違った,あたらしいリーダー像が求め
られているということになるのではないかと思い
ます。

さて,あなたの聞く力はどうなっているでしょうか?
話し上手よりも聞き上手とは,よく言ったもの
ですね。

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