多角化に必要な共通の軸

「いかに集中が望ましくとも,多角化との調和が
必要である。さもなければ過度の専門化に陥る。
同時にいかに多角化が望ましくとも,あるいは避
けがたくとも集中が必要である。さもなければ分
裂と分散に陥る。単純さと複雑さはともに必要で
ある。単純さと複雑さは事業を反対の方向に引く。
この二つを対立させてはならない。調和させなけ
ればならない。共通の軸によって多角化を一本化
させることこそ,トップマネジメントの仕事であ
る。」
マネジメント下P132

いきなり難題をふっかけられてしまいました。
成果をあげるためには,集中は大事なことです。

なぜなら,集中することが出来る人が少ないがゆ
えに差別化できるからです。

平常時には,人は放っておくとあらゆることを少
しづつ出掛けます。

いろんなことを手がけることは,一方がダメでも
片方は大丈夫というようにリスク回避ができるか
らです。

もし,我々のタンパク源が牛肉だけだったとしたら?
あるいは,鶏だけだったとしたら?

我々はBSE鳥インフルエンザで餓死寸前まで追い
詰められたことでしょう。

あらゆる食材を少しづつ摂取する雑食性は,餓死
するリスクを回避するために不可欠な生き延びる
ための知恵です。

皮肉なことに,われわれが経済的な活動をする上
においても,リスク回避の行動を取るわけですね。

業績のカギは集中であるにも関わらず,人間の本
質的な思考回路が集中を許さず,あらゆることを
少しづつ手がけるリスク回避の行動をとるわけです。

こうしたリスク回避の行動を打破し,集中できた
者がその他大勢から抜け出し,差別化に成功する
わけなのです。

ところが,牛丼専門店が,BSEで業績不振に苦しん
だ過去があるように,過度の専門化には,落とし穴
があります。

過度の専門化は,危険を伴いますが,それを回避
しようと,むやみな多角化は,自らの首を絞めます。

リスク回避を免罪符にして,多角化をすることに
つながるからです。

どこまでが,リスク回避で,どこまで多角化した
ら危険水準なのか?

この線引きは,非常に難しく,リスク回避が本能
となっている人間の能力と少々異なるがゆえに,
工夫を用いないと上手くいかないわけなんです。

カギとなるのは,「共通の軸によって多角化を一本
化させることこそ,トップマネジメントの仕事で
ある。」とあるように,共通の軸に求められます。

すなわち,事業の定義によって人間の本質的な場
当たり的な行動を経済的な成果をあげる行動に仕
向ける必要があるわけです。

そのためには,事業の定義の明文化と周知徹底が
求められるというわけです。
これを決めるのが事業の定義です。

さて,あなたの手がけている仕事は過度の集中な
のか,分裂と分散なのか?

それを線引きする共通の軸があるでしょうか?
ちょっと考えながら仕事をしていかないといけま
せんね。 

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