目標設定に絶対必要な三要素

「目標が単なる意図の表明にすぎないのであれば,
価値はない。目標は仕事として具体化しなければ
ならない。仕事には,具体的かつ明快にして測定可
能な成果,期限,担当が必要である。」
マネジメント上P132

目標設定に絶対必要な三要素は,成果,期限,担当
を決めることだということですね。

しかし,簡潔に表現していますが,「測定可能な成
果,期限,担当」の設定は,意外と難しいように思
います。

測定可能な成果として間違えやすいのが,目標と
してムリなものを求めるか,あるいは無難なもの
に設定するかのどちらかです。

これは,目標をたてた人の性格であったり,置かれ
た立場などによって違って来るように思います。

高すぎる目標というのは虚栄心を刺激するのでし
ょうか?

比較的,人を使う立場の方が,こういう達成不可能
な目標を掲げる傾向にあります。

これとは,逆にあまりにも控えめ過ぎる目標をた
てる人もいます。

目標が達成不可能となったときの保身を考えるの
でしょうか?

比較的,使われる立場の方が控えめな目標を掲げ
る傾向があるように思います。

では,どちらの目標が良いのでしょうか?
どちらの目標も正しくないということですね。

目標は高すぎてもいけないし,低ずぎてもいけま
せん。

目標は最適でなければならないということですね。
なぜ,目標が最適でなければいけないのか?

それは,高すぎる目標も低すぎる目標も人が持っ
ているパフォーマンスを最大限に発揮することが
出来ないからです。

有名な心理学の実験で,国連に加盟するアフリカ
諸国は50カ国より上か下かと方と尋ねた場合
と,20カ国より上か下かと尋ねた場合を比較した
場合,50カ国より上か下かと問われた場合の方が
より多い加盟国数を答えたというのがあります。

正解は54カ国(2016年現在)なのですが,確かな確
証がない場合,人間は,数字が高ければ高いほど,
より高い目標をクリアする確率が高くなる習性が
あることを暗示しています。

ところが,アフリカ諸国は,100万カ国より上か下
かと尋ねると,答えがバラけるそうです。

100万カ国という数字はあまりにもバカげている
ので,意味をなさず,無視されるわけですね。

あまりにも高すぎる目標も,これと同じように無
視される確率が高いということです。

確かな確証がない場合,それなりに納得できる情
報があれば,とりあえず信用した方が安全だろう
という我々の先祖が勝ち取った習性ともいえますね。

こうした人間が本来持っている習性を上手く利用
することです。

少し頑張ればなんとかなりそうな目標であると納
得出来たら,人間はそれに向かって努力をすると
いうことです。

目標が低くても,それに向かって行動しますが,本
来10の成果を出せる人間が,目標が低すぎると実
力の半分しか能力を発揮出来ないということです。

「目標は高く設定しなければならない。ばかげて
いるといわれない程度に,しかし,かなり頑張らな
ければならない程度に高くしなければならない。」
(非営利組織の経営P68)という言及は,まさにこれ
を突いているということですね。

もう一つは,期限です。
時間に限りがありますから,優先順位をつけるこ
とが大事です。

優先順位をつけるということは,何に集中するか
を決め,何をやめるかを決めるということにつな
がっていきます。

これも人間にとっては難しいことです。
人間が本来持っている習性ともいえるあれも欲し
いこれも欲しい病が災いします。

あらゆることを少しずつやることは,リスク分散
につながります。

もし我々が,牛肉しか食べない人間だったら,狂牛
病の問題で餓死してしまいます。

あらゆる食材を少しずつ摂取することでリスク分
散をやってきたわけです。
集中とは,こうした人間の習性に反することです。

集中が苦手だからこそ,それが出来た人間は,それ
だけで差別化に成功することになります。

期限を意識して,優先順位をつけることを普段か
ら心がけるということですね。

そして,最後に担当を決めるということです。
誰でも良いというわけではありません。

手が空いている人をつければいいということでも
ありません。
優秀な人材を担当に据えるということです。

ところが,優秀な人材は限られています。
では,どうやって優秀な人材を得るか?
外部からのスカウト?

しかし,組織の内部に優秀な人材が限られている
のと同じように,外部の世界でも優秀な人材は不
足しているのが常です。
スカウトに,過度の期待は禁物です。

優秀な人材は,「現在の仕事を廃棄させるか,ある
いは利益を出すだけの存在にさせることによって
手に入れなければならない。」(創造する経営者
P296)ということです。

ようするに,優れた能力を手にするためには,既存
のものの廃棄が必要となるということです。

ところが廃棄も人間にとっては難しいことです。
食糧事情が悪かった時代を生き抜いてきた人間に
とっては,廃棄どころではなく,どうやって長期間
保存すべきかに知恵を巡らせてきました。

しかも,経済的に廃棄すべきという答えが出ても,
廃棄は本能的に苦手です。

自分の子供が芸能人やプロのスポーツ選手になる
素質があった方が教育費に対するリターンは最大
値になります。

ところが,われわれの多くは,特別な才能がありま
せん。
教育費に対するリターンが少ないわけです。

人道的な問題を別とすれば,経済的には廃棄すべ
き存在なのです(T_T)

しかし,われわれの両親は,経済的には廃棄すべき
という答えが出ているのに,われわれを廃棄しな
かったわけです。

われわれにとっては,廃棄を苦手とする思考回路
があるがゆえに,生き残ってきたわけですが,成果
をあげるためには,心を鬼にして廃棄すべきもの
は廃棄すべく行動しなければならないということ
です。

上手くいかない事業計画は,「測定可能な成果,期
限,担当」のどれか一つあるいは,全部が間違って
いる場合が多いということですね。

「測定可能な成果,期限,担当」は,事業の立ち位置,
集中する分野陳腐化した事業の廃棄を促すという
ことです。

さて,あなたはの目標は,「測定可能な成果,期限,
担当」を明確にしているでしょうか?

それとも,漠然とした単なる意図の表明になって
いないでしょうか?

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