仕事の仕方と仕事の適切さは同じではない

「効率とは仕事の仕方であり,成果とは仕事の適
切さである。」
マネジメント上P52

仕事の仕方と,仕事の適切さはイコールではあり
ません。

もちろん,どちらも大切ですが,どちらかという
と仕事の仕方が重視され,仕事の適切さが軽視
されているように思います。

仕事の仕方という観点から,業務を効率化する
ツールは山ほどあり日々進化しています。

ところが,仕事の適切さにつながる成果は,人間
的な要因であるために画期的なツールがあるわけ
ではありません。

もしかしたら,近い将来,ITが成果をあげる画期的な
ツールになりうるかも知れませんが,そのためには,
仕掛けが不足しているように思います。

なぜなら,成果をあげるためには,意思決定をしな
くてはいけません。

しかし,意思決定をするかしないかは,人間の行動
力にかかっています。

特にやめるかやめないかの決定は,勇気がいるだ
けに,データを目にしたとしても,直ちに行動でき
るとは限らないのです。

行動を起こすためには,怪しい宗教のようにヘッ
ドギアをつけて,ITが正しい意思決定だと判断し
たら,人間の脳に実行をを促すように電気的な刺
激を与えることが出来たとしたら,ITは成果をあ
げる画期的なツールになる得るのかも知れません。

しかし,それが出来たとしても,そのような苦痛に
我々の肉体と精神が耐えることが出来るかどうか
わかりません。

もしかしたら,いま以上に自殺者が増えるかも知
れませんし,殺し合いに発展するかも知れません。

ITが成果をあげるためのツールになるためには,
相当高いハードルを越えなくてはいけないという
ことです。

そして,もう一つ忘れてはいけないのが知識労働
の時代になったということですね。

知識労働の成果は,差別化です。
ところが,われわれがこれまでやってきた労働は
肉体労働でした。

肉体労働の成果は,仕事の効率をあげれば自動的
に成果が約束されたわけです。

仕事の効率をあげて,いままで10分かかってい
た作業が3分短縮すれば,生産量がそれだけ増え
るわけですからね。

もしかしたら,これが誤解の原因になっているの
かも知れません。

仕事をマニュアル化し,効率をあげれば必ず成果
があがるというのはあくまでも,日常の繰り返し
仕事の分野です。

ファーストフードの社員教育で強みを発揮する分
野ですね。

しかし,それで業績が保証されるのかというとそ
うではないというのはご承知のとおりです。

期間限定のメニューを投入したり,店舗の再編な
どの意思決定をして,差別化することで業績があ
がるわけですね。

ところが,肉体労働の中心に世の中が回っていた
時代が人類の歴史の99.9%を占めていたわけです
から,効率をあげれば業績があがるという単純な
発想をしてしまう習性があるように思えるのです。

いままで10分かかっていた作業が3分短縮すれ
ば,生産量が増えますが,それが陳腐化した製品
だとすると売れ残りの在庫の山となり,効率化し
たことによって経営がむしろ悪化することもある
わけです。

仕事を効率化しても成果があがらない理由が隠さ
れているわけですね。

それだけに,「効率とは仕事の仕方であり,成果と
は仕事の適切さである。」という言及は単純ですが,
実は奥が深いといえないでしょうか?

さて,あなたの考える効率化は最初に成果ありき
の効率化になっているでしょうか?
それとも,最初に効率化ありきの効率化ですか?

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