時間や仕事の従者になってはいけない!

「集中とは,『真に意味のあることは何か』『最も
重要なことは何か』という観点から時間と仕事に
ついて自ら意思決定をする勇気のことである。こ
の集中こそ,時間や仕事の従者となることなくそ
れを主人となるための唯一の方法である。」
経営者の条件P152

集中という言及に対して,自ら意思決定をする勇
気のことであるといっているところに注目かもし
れません。

なんで勇気が必要なのでしょうか?
そんなに気合いを入れなくても集中でぎると思い
ますが…

しかし,意外と集中するのは難しいのです。
人間には,あれも欲しいこれも欲しい病があるか
らです。

ひとつのものだけに集中することに不安も抱いて
しまいます。

あれも欲しいこれも欲しい病は,いってみればリ
スクの分散でもあります。

人間が雑食なのも,栄養バランスという健康面と
いう部分もありますが,ひとつの食材に過度に依
存すると,その食材がなんらかの要因で,供給でき
なかったときに,餓死してしまうので,それを避け
るという側面も大きかったのではないかと思います。

人間は,集中よりも,リスク分散を重視する方があ
る意味得意なのかも知れません。
しかも,集中とは廃棄の決定でもあるわけですね。

ところが,人間にとって廃棄はとてもハードルが
高いのです。
もちろん,腐ったものを廃棄することは,簡単です。

腐ったものを廃棄しないとお腹を壊してしまいます。
命を落とすこともあるでしょう。

しかしながら,腐りかけのものを廃棄するのはと
ても苦手なのです。

現代のように冷蔵庫や冷凍技術がなかった時代は,
腐りかけのものでも,なんとか食べられるウチは,
なるべく保管するようにしておいたハズです。

そうしないと,食糧事情が現代と比べて劣悪だっ
たがゆえに,餓死してしまいます。

皮肉なことですが,チーズや納豆のような発酵食
品は,腐りかけのものでも,食べられるうちは,な
んとか食べようという人間の知恵が編み出したも
のといえますね。

ところが,成果をあげるのは差別化の時代となり
ました。

差別化には,いろいろな要因がありますが,一番わ
かりやすいのは,人と同じ事をしないことです。

腐っていない限りは,廃棄せずなるべく長時間保
管しておくべきだという人間の習性を無視して,
まだ腐っていないのに廃棄するというのが差別化
の要因となります。

とはいっても,腐ったりんごを廃棄するのは得意
でも,腐りかけたりんごを廃棄するのはとても苦
手なんですね。

まだ食べられるんじゃないかという考えがアタマ
にこびりついているのです。

食糧事情が悪かった時代は,腐りかけたりんごで
も捨てないことが生き延びるための知恵だったと
いうのがわかるのですが,そんな時代がとっくに
終わっても,我々のアタマには未だに腐るまで捨
てるなという発想から抜けきることが出来ないの
です。

集中の重要性がわかっていても,腐りかけたりん
ごに対する思い入れがあるがゆえに,なかなか集
中できないということですね。

こうした人間の習性に反することを実行するには,
思い切りと勇気が必要です。

だからこそ,集中とは,自ら意思決定をする勇気
のことであるといっているのです。

さて,あなたは腐りかけたりんごを勇気をもって
廃棄することができるでしょうか?
それとも,異臭を放つまで手元に置いておきますか?

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